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二つの祖国 ネタバレ・感想

久々に面白く、余韻が抜けずにいるので一気に書こうと思います。

二つの祖国は、テレビ東京開局55周年特別企画のとして制作されたドラマで、原作は山崎豊子さんの同名小説。2夜連続放送で2019年3月23日(土)と24日(日)に放送されたそうです。

公式HP
https://www.tv-tokyo.co.jp/futatsunosokoku/



二つの祖国の概要

真珠湾攻撃から東京裁判までの日米間の戦争に翻弄された日系アメリカ人の姿を描いた山崎豊子原作の小説。主人公「天羽 賢治」を中心に太平洋戦争下における2つの祖国を持つ日系アメリカ人たちの苦悩を描いた作品。
ちなみに、小栗旬さんが演じる「天羽 賢治」のモデルはデイビッド・アキラ・イタミ(日本名:伊丹明)氏との事。

後篇

 

二つの祖国 あらすじ

両親が日系アメリカ人1世としてアメリカに渡り、ロスアンゼルスで生まれた天羽賢治は、大学生活を日本で過ごしたのち、両親や弟、妹が暮らすロスアンゼルスに戻り新聞社「加州新報」で記者として活躍している。
1世としてアメリカに渡った両親も、その頃には長年の苦労が報われ事業も安泰、賢治も結婚をし、安定した暮らしを送り始めていた時に、日米開戦が始まる。

日本人としての誇りを胸に生きてきた両親、日本の置かれている立場、日本人としての信条を理解する賢治、日系アメリカ人2世としてアメリカ国民(市民)の意識が強い弟、と家族の中でも立場や思想、忠誠する対象はそれぞれで、戦争というどうする事も出来ない状況の中で、賢治たち家族も苦悩を重ねていく。

日系人である為に、家族はこれまでの生活を全て捨て強制収容所に入れられ、屈辱を味わう中、日本人として生きるべきか、アメリカ人として生きるべきか、それぞれが悩み、心を痛め、戦線に向かう事になる。


賢治は語学兵として、情報機関の日本語教師として働いたのち、戦地へ、終戦後は東京で行われた極東軍事裁判(所謂、東京裁判)の言語モニターの任務に就くが、アイデンティティに苦悩する事となる。

 

 

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二つの祖国 感想

太平洋戦争時、既に西海岸にはリトル・トーキョーが存在し、アメリカ国内にて強制収容所等に日系人が収容されていた事は知っていたものの、最初はこのテーマをどう描くのか興味を持って観はじめました。

まずはこのドラマの大きな柱である太平洋戦争-戦争をテーマにすると、それぞれの見解や賛否両論わかれる所だと思いますが、このドラマではアメリカ側、日本側、どちらに着く事もなく、公平に制作されていた印象で、その論争が起きる事のない、配慮された作りがなされていた印象がとても強く、それがまた、より観ている側が日系人の苦悩にフォーカスできる素晴らしい作りだったなと思います。

もちろん、主役の小栗旬さんや他の役者さんたちも本当に素晴らしく、あの当時の日系アメリカ人社会の様々なタイプの日系人がいて、それぞれがそれぞれの立場で苦しんでいた事が判りやすく描かれていました。

また日本で活躍する新旧外国人タレントさんたちや、ビートたけしさんや鶴瓶師匠、フィギュアスケート織田信成選手など、豪華な面々も見どころかもしれません。

今回は、原作のモデル「デイヴィッド・アキラ・イタミ(David Akira Itami)」氏を中心とした話しですが、正直、このドラマに出てきた賢治の父、母、弟2人、梛子、チャーリー、エミ―、誰にフォーカスを当て主人公に於いても成立する位、それぞれがそれぞれの立場で苦悩をしている。

改めて、原作を読むことももちろんですが、原作のモデルとなった「デイヴィッド・アキラ・イタミ(David Akira Itami)」氏は、1950年に39歳でピストル自殺を遂げており、今年の8月の終戦時期には当時の日系アメリカ人についてまた同氏について勉強してみようかなと思える、興味を非常に惹かれる作品でした。

 

 

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