北川景子さんと中村倫也さんが出ているし、何となく面白そうだったので、前情報なしでみてみました。
ファーストラブはこんな人におすすめ
ファーストラブの原作とあらすじ
原作は島本理生さんの同名小説。直木賞を受賞されているようです。
私は小説を読んでいないので映画との相違点はわかりませんが、レビューを読む限りストーリーに大きな差はなさそうです。
アナウンサーを目指し就職活動をしていた女子大生の聖山環菜は、父親を殺した容疑で逮捕される。「動機はそちらで見つけてください」と取り調べで話したことから、世間ではセンセーショナルに捉えられた環菜だが、臨床心理士の真壁由紀(北川景子)はどことなく自分と同じものを感じた環菜に取材を申し込む。
環菜の弁護を担当している弁護士は、夫の弟で大学時代の同級生・迦葉(中村倫也)。環菜がなぜ父親を殺したのか?に迫るために、環菜と面会を重ねるたびに二転三転する発言に翻弄される由紀。環菜の家庭環境、幼少期からの記憶、成長過程に触れるたび、由紀は夫・我聞(窪塚洋介)には話していない自分の過去のトラウマとも向き合っていくことになっていく。
映画「ファーストラヴ」の感想
子供が親を殺害する事件を見るたび、家庭環境、親子の関係に何らかトラブルがあったのではないかと誰しも思うと思います。この映画では、環菜だけでなく由紀(北川景子)、迦葉(中村倫也)もそれぞれ親子間での問題を抱えています。
由紀と迦葉は学生時代の出会いから、お互いのトラウマを知っているが、公認心理士、女性、自分と似ているところがあるからか環菜に寄り添う由紀と、弁護士という立場からより良い量刑を勝ち取ろうとする迦葉。トラウマとの向き合い方もそれぞれが違っていて、そこも興味深いなぁと思いました。
昨年、安倍元首相が殺害された事件でも母親が旧・統一教会に熱心だったことにより、家族がバラバラになってしまった加害者の生い立ちが紹介されていました。家庭環境や親が子供に与える影響がいかに大きいかをこの映画から改めて感じました。
裁判の中で、環菜が自分の言葉で過去の話や事件当日の状況を話している時の言葉には心が打たれるものがありました。環菜の家庭も、由紀の家庭も、はたから見たらきっと幸せな家庭に映っていたのではないかと思いますが、家族だけが知る家庭内の状況はどう考えても普通とは言えず・・・特に子供は逃げ場がないだけに、唯一くつろげるはずの家の中に問題があったら人間形成に影響は出てきますよね。
唯一救いだったのが、由紀と心を通わせていくうちに環菜が徐々に自分を取り戻してきたこと、由紀のトラウマも過去も含めて全てを夫・我聞さんが受け止めてくれたことでしょうか。人はやはり誰かに愛されることを必要としている生き物なのでしょうね。
映画のタイトル「ファーストラヴ」は、親からの愛情を意味しているのかなと始めは思ったのですが、環菜、由紀、迦葉それぞれの初恋を意味していたのかもしれないですね。
内容としては非常にシリアスでテーマは重かったけど、見てよかったと思う映画でした。